飲食店・テナントビルの消防設備点検|毎年報告となる場合
著者・監修 ・ YDAIコンサルティング株式会社 代表
目次
飲食店は令別表第一(三)項ロで結果報告が1年に1回の群にあり、テナントビルは入居用途によって(十六)項イまたはロの確認が必要です。
飲食店が入る建物は、店名やビル名だけで用途区分を決めず、入居用途、建物全体の構成、延べ面積、対象設備を分けて整理します。毎年の結果報告、機器点検・総合点検の周期、資格者点検の条件も、それぞれ別の根拠で確認します。
飲食店とテナントビルは用途区分を分けて確認する
飲食店は令別表第一(三)項ロです。複数用途が入る建物は、(十六)項イまたはロのどちらに当たるかを、入居用途とともに確認します。
飲食店の用途区分と、複合用途防火対象物であるテナントビルの用途区分は同じ確認ではありません。店舗の用途、共用部分を含む建物の構成、入居用途の変動を整理し、個別の建物区分は所轄消防本部へ確認します。

| 施設の例 | 令別表第一の区分 | 規則との照合 | 確認先 |
|---|---|---|---|
| 飲食店 | (三)項ロ | 第31条の6第3項の該当号を確認 | 所轄消防本部 |
| 複合用途防火対象物 | (十六)項イ又はロ | 入居用途と規則の列挙を照合 | 所轄消防本部 |
飲食店の用途区分と毎年の結果報告
飲食店は、消防法施行令別表第一の(三)項ロに掲げられ、消防法施行規則第31条の6第3項第1号の1年に1回の結果報告の群に含まれます。結果を報告する相手は消防長又は消防署長であり、点検を行った結果は維持台帳に記録することとされています。飲食店の結果報告が毎年であることと、点検を行う周期は同じではないため、報告の予定と設備ごとの点検予定を別に管理します。用途区分の項番号から報告周期を確かめる手順は、消防設備点検の報告周期を逆引きする記事で確認できます(消防法施行令別表第一、消防法施行規則第31条の6第3項、令の現行版: 2025-10-01、規則の現行版: 2026-06-26、確認日: 2026-09-08)。
店舗が同じ建物内に複数ある場合も、店名だけで建物全体の用途区分を決めません。入居用途、対象設備、確認日を建物ごとに対応づけ、報告の対象範囲について不明な点は所轄消防本部へ確認します。
飲食店の結果報告を管理する際は、店舗ごとの設備一覧と建物全体の共用設備を分けて確認します。報告周期の確認に使った用途区分と、各設備の点検種別を同じ表に置いても、周期の意味は別であることを明記します。
テナントビルで確認する複合用途の区分
複合用途防火対象物は、その一部が(一)項から(四)項、(五)項イ、(六)項又は(九)項イの用途に供されているとき、令別表第一(十六)項イに掲げられ、結果報告は1年に1回の群です。(十六)項イ以外の複合用途防火対象物は(十六)項ロに掲げられ、結果報告は3年に1回の群です。したがって、飲食店を含むかどうかだけを頼りにせず、入居用途がどの項に対応するかを確認します。特定防火対象物という呼称の法と政令における位置づけは、特定防火対象物と非特定防火対象物の違いで整理しています(消防法施行令別表第一、消防法施行規則第31条の6第3項、確認日: 2026-09-08)。
テナントの入替や用途変更があった場合は、前回の用途区分をそのまま使わず、入居用途、対象部分、確認した日を見直します。個別のテナント構成が(十六)項イ又はロのどちらに当たるかは、記事の一般説明から決めず、所轄消防本部へ確認します。
共用部分の設備や一部のテナントに設置された設備も、建物全体の呼び名だけでは範囲を読み取れません。用途の資料、設備一覧、所轄へ確認する事項を対応づけ、入居用途が変わった範囲を依頼条件に反映します。
確認した日も用途ごとに残します。

点検の周期と資格者点検の条件を分けて確認する
結果報告が毎年の群でも、点検は機器点検・総合点検の周期で管理します。特定用途の資格者点検は延べ面積の条件も確認します。
点検と報告を一つの年次作業にまとめると、機器点検6月、総合点検1年、結果報告1年という違いを見失います。対象設備と点検種別を確認したうえで、用途区分・延べ面積・設備条件を資格者点検の確認に使います。

| 管理する項目 | 基本となる根拠 | 依頼前に確認する情報 |
|---|---|---|
| 機器点検 | 平成16年消防庁告示第9号第3 | 対象設備と点検種別 |
| 総合点検 | 平成16年消防庁告示第9号第3 | 対象設備と点検種別 |
| 結果報告 | 消防法施行規則第31条の6第3項 | 用途項番号、報告先、確認日 |
| 資格者点検 | 消防法施行令第36条第2項 | 面積、用途、設備方式の確認状況 |
6月・1年の点検と毎年の結果報告
機器点検は、消防用設備等の外観又は簡易な操作により判別できる事項を確認する点検です。総合点検は、消防用設備等の全部又は一部を作動させ、又は使用することにより、総合的な機能を確認する点検とされています。平成16年消防庁告示第9号第3では、機器点検は6月、総合点検は1年と定められており、設備によっては機器点検のみのものがあります。飲食店が1年に1回の結果報告の群であっても、設備の種類と点検内容に応じた周期を別に確認します(消防法施行規則第31条の6第1項、平成16年消防庁告示第9号第2・第3、告示の最終改正: 2020-12-25、確認日: 2026-09-08)。
点検予定には、誘導灯、煙感知器、屋内消火栓のホース格納箱など、対象設備の名称と点検種別を対応づけます。毎年の結果報告だけを予定に残さず、点検の実施時期と結果報告の時期を別欄にすることで、必要な周期を読み分けられます。
報告書の作成や提出を依頼範囲に含める場合も、機器点検・総合点検と別に記します。結果報告が毎年の建物であっても、設備ごとの点検内容と周期を確認し、報告の年だけに作業を集めないように整理します。
確認した日も設備別に記録します。
特定用途で1,000㎡以上の資格者点検
令別表第一の(一)項から(四)項、(五)項イ、(六)項、(九)項イ、(十六)項イなどの特定用途系では、延べ面積が1,000㎡以上のものが資格者に点検させる対象です。飲食店は(三)項ロに当たるため、個別の建物の用途、延べ面積、複合用途の区分を確認して扱います。面積の条件は、結果報告が毎年であることとは別の条件であり、設備方式についても確認します。特定用途と非特定用途の資格者点検条件を参照し、個別の該当性は所轄消防本部へ確認します(消防法施行令第36条第2項第1号、確認日: 2026-09-08)。
二酸化炭素を放射する全域放出方式の不活性ガス消火設備がある場合は、用途・面積とは別の資格者点検の条件です。飲食店・テナントビルでは、用途区分、面積、設備方式を一つの判定にまとめず、それぞれを確認した日とともに記録します。
複合用途防火対象物では、(十六)項イ又はロの確認と、資格者点検の面積条件を同じ結論にしません。用途区分を確認した資料、延べ面積を確認した資料、設備方式を確認した資料を分けて残し、個別の建物条件は所轄消防本部へ確認します。
確認日を添えて資料を分けることで、用途区分と資格者点検の条件が後から混ざることを防げます。

テナント構成を依頼条件に反映する
テナントビルでは、入居用途、延べ面積、対象設備、確認日を整理し、個別の区分は所轄消防本部に確認します。
依頼条件には、建物全体の呼び名に加え、各テナントの用途、共用部分を含む対象設備、点検種別、結果報告の範囲を記録します。用途区分に関する確認と、対象設備に対応する点検範囲を同じ欄にせず、資料の出どころと確認日を対応づけます。

| 入居用途 | 面積 | 設備 | 確認資料 | 所轄への確認 |
|---|---|---|---|---|
| テナントごとの用途と共用部分 | 延べ面積と対象範囲 | 受信機、感知器、誘導灯、消火器 | 図面、設備一覧、確認日 | (十六)項イ又はロと資格者点検の個別条件 |
用途変更やテナント入替時に確認する項目
用途変更やテナント入替があったときは、入居用途、使用する部分、共用部分、対象設備、延べ面積の資料を見直します。飲食店があるという情報だけでは、建物全体の複合用途区分や点検範囲を決められないため、入居用途を項番号と対応づけて整理します。前回の点検記録を参照する場合も、現在の入居用途と同じかを確認し、確認日を残します。所轄へ確認する事項は、個別の用途区分、資格者点検の条件、結果報告の扱いに分けて記録します。
依頼先に渡す資料では、変更前後を比較するための評価ではなく、現在確認できる入居用途と対象設備を区別します。資料の更新日、確認日、所轄へ確認する事項を分ければ、前回の記録だけに基づいて点検範囲を固定することを避けられます。
テナントの数を数えることだけを依頼条件にせず、設備がある場所と点検対象の範囲を同じ資料で確認します。用途、面積、設備、確認日をそろえることで、点検の周期、結果報告、資格者点検の条件を混同しない依頼メモになります。
依頼範囲に共用部分を含める場合は、その設備とテナント部分の設備を区別します。用途変更があった範囲、確認資料、所轄へ照会する事項を別に記録し、建物全体の呼び方だけで点検条件を決めません。
まとめ
飲食店は令別表第一(三)項ロで、結果報告は1年に1回の群です。テナントビルは入居用途により(十六)項イ又はロを確認し、機器点検6月・総合点検1年、資格者点検の面積・設備条件を別に整理します。用途区分と点検条件を分けて確認する方法は、シーン別記事一覧でも確認できます。
よくある質問
- Q. 飲食店は毎年の結果報告が必要ですか
- 飲食店は令別表第一(三)項ロで、規則第31条の6第3項第1号の1年に1回の結果報告の群に含まれます。個別の建物区分は所轄消防本部に確認します(確認日: 2026-09-08)。この1年に1回は結果報告の周期であり、機器点検6月・総合点検1年と同じ意味ではありません。飲食店のある建物では、用途区分、対象設備、点検種別、報告の範囲を別々に整理します。 報告先は消防長又は消防署長です。個別の建物がどの区分になるかは、店名や業種の呼び方だけで決めず、所轄消防本部へ確認します(消防法施行規則第31条の6第3項、確認日: 2026-09-08)。
- Q. 飲食店が入るテナントビルは必ず(十六)項イですか
- 複合用途防火対象物は入居用途によって(十六)項イまたはロに分かれます。個別のテナント構成と建物の該当性は、記事だけで決めず所轄消防本部に確認します(消防法施行令別表第一。確認日: 2026-09-08)。 一部が(一)項から(四)項、(五)項イ、(六)項又は(九)項イの用途に供される複合用途防火対象物は(十六)項イです。それ以外の複合用途防火対象物は(十六)項ロとして整理されます。 実際の入居用途、対象部分、変更の有無によって個別の確認が必要です。飲食店が入っているという一点だけで決めず、用途を確認した資料と日を残し、所轄消防本部へ確認します(消防法施行令別表第一、確認日: 2026-09-08)。
- Q. 飲食店のある建物で資格者点検を確認する条件は何ですか
- 特定用途の群では、延べ面積1,000㎡以上が資格者点検の条件の一つです。用途・面積・設備条件を分けて確認します(消防法施行令第36条第2項第1号。確認日: 2026-09-08)。 飲食店は(三)項ロに掲げられるため、建物の用途、延べ面積、複合用途の区分を整理し、個別の対象は所轄消防本部へ確認します。報告が毎年であることだけを、資格者点検の要否を決める条件にしません。 二酸化炭素を放射する全域放出方式の不活性ガス消火設備は、用途・面積とは別の資格者点検の条件です。設備方式を図面又は設備一覧で確認し、用途・面積・設備に関する記録を分けて残します(消防法施行令第36条第2項第1号、消防法施行規則第31条の6の2、確認日: 2026-09-08)。
出典
- 1.消防法施行令(昭和36年政令第37号)(laws.e-gov.go.jp)
- 2.消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)(laws.e-gov.go.jp)
- 3.平成16年消防庁告示第9号(点検の期間・点検の方法・報告書の様式)(fdma.go.jp)